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学習療法による脳活性化リハビリができます
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学習療法とは、音読と計算を中心とする教材を用いた学習を、学習者と支援者がコミュニケーションを取りながら行うことで、学習者の認知機能やコミュニケーション機能、身辺自立機能などの前頭前野機能の維持・改善を図るものです。学習療法研究会では、この学習療法の理論によって、老人性認知症の症状克服に向けた新しい提案を行っています。この研究会は、東北大学川島隆太教授と公文教育研究会が主催したもので、わたしどもの会社のその大阪府第一号の契約施設として、積極的に「学習療法」による脳活性化リハビリを行っています。
1.老人性認知症はどうして起こるの?
加齢にともない脳の働きが衰え、それが重度になった状態が、一般的に「ボケ」と呼ばれている老人性認知症です。老人性認知症には、その発症原因によって様々なタイプがあります。介護施設で見られるのは、主に(1)アルツハイマー型認知症、(2)脳血管型認知症、の二つのタイプです。脳血管型認知症の予防は、高血圧や糖尿病などの成人病の予防が中心になっていますが、アルツハイマー型認知症の予防法は、未だに明らかにはなっていません。また、いずれの認知症でも、認知症状態になってしまってからの脳機能の回復は非常に困難です。
老人性認知症の方と接するとき、第一に問題となるのがコミュニケーションの障害です。言葉を介したコミュニケーション、そして表情などの言葉を介さないコミュニケーションの双方がうまくいかず、他者との意思の疎通が困難になります。感情のコントロールが効かず、突然怒りだして周囲の方を困らせることも問題です。そして第2の問題は、身辺の自立です。食事や衣服の着替えなど他人の手助けが必要となります。
これらの問題点、つまりコミュニケーション、感情、身辺の自立などは、すべて大脳にある『前頭前野』という領域がコントロールしています。つまり、老人性認知症の原因は様々ですが、社会で問題となるその症状のほとんどは、前頭前野の機能に関係するものなのです。
2.前頭前野はどんな働きをしているの?
脳は大きな一つのかたまりではなく、異なった機能を持ついくつかの領域に分かれています。大きくは、大脳、小脳、脳幹とよばれる三つの部分に分かれます。この中で、人間としての特徴をいちばん表しているのは大脳です。大脳は、さらに後頭葉、側頭葉、頭頂葉、前頭葉の四つの部分に分かれています。
サルおよびヒトの研究の結果、前頭葉の中の「前頭前野」という領域が、脳の他の領域を制御する最も高次な中枢であることが明らかになりました。前頭前野はおでこのちょうど裏側にあり、人間の大脳皮質の約30%を占める巨大な領域です。
この割合は、人間が一番大きく、高度な脳活動をすることで知られている類人猿も、10%以下しかありません。つまり、生物学的に見た人間の特徴は、大きく発達した前頭前野を持つ動物である、ということがいえるのです。
人間の前頭前野には 思考する 行動を抑制する コミュニケーションする 意思決定する 情動の制御をする 記憶のコントロールをする 意識・注意を集中する 注意を分散する などの働きがあります。これらは、まさに人間を人間たらしめている高次の機能です。つまり、前頭前野は“人間の心”そのものといえるでしょう。また、前頭前野が命令を発することで、脳の、他の領域の機能が働くという点で、「前頭前野は、脳の司令塔」ということもできます。
3.どうすれば前頭前野の機能を改善できるの?
脳機能イメージング研究は、簡単にいえば、人間が様々な行動や思考をしているときに脳がどのように働いているかを、画像によって捉えて分析する研究です。これは15年ほど前に始まったばかりの最新の研究分野で、現在はfMRIという装置を主に用いて研究しています。この過去10年以上にわたって行われてきた数百の脳機能イメージング研究のデータから、脳の効率的な活性化方法が発見されたのです。
fMRIで調べた画像は、脳が活性化している場所に色を付けて示すことができます。その結果、一桁の足し算などの簡単な計算問題を解いているとき、そして本を音読しているときに、左右の前頭前野を含めた脳全体が活性化していることが分かりました。一方、一生懸命に何かを考えているときや、テレビゲームをしているときには、一般的に想像されるほど脳前頭前野は活性化していませんでした。さらに、その後の研究から、すらすらと速く計算したり、速く音読したりするほど、脳がより活性化することも分かっています。
これらの研究によって「計算や音読を毎日行うことで、左右脳の前頭前野が活性化し、それが効果的な刺激となって低下しつつある脳機能を向上させることができる」という結論が得られました。学習療法はこの考え方を根幹に、前頭前野機能の維持・改善を図るプログラムを行っています。
4.学習療法®にはどんな効果があるの?
学習療法は、以下の2つの基本的な考え方を元に行う学習プログラムです。
「読み・書き・計算」を中心とする、教材を用いた学習であること 学習者(認知症高齢者)とスタッフ(学習療法スタッフ)がコミュニケーションを取りながら行う学習であること 学習開始6ヵ月後、「読み・書き・計算」の学習をした方(学習群)は、学習をしなかったほうに比べ、脳機能の低下を防いだことを意味する結果が出たのです。明らかに、「読み・書き・計算」の学習が、高齢者の脳機能を改善するという証拠が得られたのです。
さらに、「読み・書き・計算」を行った結果は、高齢者の前頭葉検査の数値が向上したことにとどまりません。まったく無表情だった方が、学習が進むにつれて笑顔が認められるようになりました。また、おむつに頼っていた方が、尿意や便意を伝えることができるようになったり、ついには自分でトイレに行けるようになったりと、日常生活に大きな変化が表れたのです。
このように、学習療法を通じて前頭前野の神経細胞が元気を取り戻すことで、脳機能の働きやコミュニケーション能力、身辺自立性が改善されるということが分かります。 わたしどもの会社のデイサービスでも、積極的に学習療法を行っていますが、住宅型ホームであるマリアヴィラにおいても、ご希望の方に、この学習療法による脳活性化プログラムを実施しています。
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